パッケージのリデザインから考察してみる②

失敗例編

前回、パッケージリデザインの成功例を紹介しましたが、
今回は失敗例を紹介したいと思います。

注目した商品はアメリカを代表するオレンジジュースの「Tropicana」です。

トロピカーナは、大幅なパッケージのリブランディングを計画。
多くのマーケティング費用を費やし、5ヶ月間のデザイン作業、ローンチキャンペーンを行いました。その結果、20%売上ダウンと大失敗し、その30日後に今までのデザインに戻ったという事例があります。

リブランディングの前と後を比較してみましょう。

以前のロゴは、横に表記し読みやすかったのに対し、
新しいロゴは縦に書かれ、読みにくなっています。

また、リブランディング前のパッケージの表にはオレンジの断面、横には人など、各面を最大限に使っていました。

一方、新しいパッケージは、2面を使ってグラスに入ったオレンジジュースを表現していましたが、商品棚に並んだときにそのアングルで見る人はおらず、その面白いデザインに気づく人はほぼいなかったそうです。

トロピカーナは、果肉入り、カルシウム入りなど様々なバージョンのオレンジジュースを発売していますが、新しいパッケージになった途端、その違いがわかりづらくなってしまいました。

フォントについても前のデザインの方が自然な印象が感じられます。

リデザインで唯一好評だったのはパッケージの蓋。

オレンジに似たデザインをしており、質感もオレンジの皮のようになっています。

日本でも大手コンビニチェーン「ローソン」のパッケージのリデザインが注目を集めていました。

このパッケージを見て、前のパッケージがよかったと思う人の多くの意見としては
視認性の低さがあげられ、

成功だと言う人は
お洒落でかわいいという意見が多くありました。

私が初めて見た時に抱いたのは、デザインを統一することばかりに目を向けていて商品を間違えて購入するケースが増えてしまうのではないかという疑問でした。特に弱視の方やお年寄りの方への配慮がされていないと感じました。

統一感も出しつつ、わかりやすいと好評なのは「無印良品」のレトルトカレー。

ユーザーに美味しそうだと思わせたり、わかりやすく伝えることができるのはもちろん、
全体の統一感もあることがわかります。

デザインを学んでいく上で、成功例ばかりではなく、失敗例にも注目してみることがとても大事だとわかりました。皆さんもぜひ調べたり、商品の陳列を観察してみてください!

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