よく経営の話で「戦略」という言葉を聞きませんか?
「戦略」とは自分達がどのように行動するかという目的・行動方針を決めるもので、長期的な計画を立てる事でもあります。
世界中の歴史を見てみても、ちゃんとした戦略を練っている国は長続きし、戦略を練ってなくその時に対応する国な長続きしない傾向があります。
今回は世界中の歴史の事例を交えながら、経営にも応用できる「戦略」について考えていこうと思います!
はじめに「戦略」と「戦術」の”違い”
戦略という単語をよく理解するためには、似ているようで全く意味が違う「戦術」との違いをよく理解しておかなければいけません。「戦略」は目標や長期的な行動方針を決めるものであり、「戦術」はその目標を達成するための”手段”の事です。
この上の二つの違いを分かっていなかったり、あるいは片方を疎かにするのは大変危険なのでよく覚えておいてください。
1.天下三分の計で見る「戦略」・「戦術」の例
日本で「西遊記」と同じぐらい知名度がある「三国志」。後漢王朝が滅び、魏・呉・蜀の三か国が三つ巴の戦いを繰り広げる物語ですが、作中に出てくる諸葛孔明の「天下三分の計」という戦略方針と魏の曹操の戦略方針を例を見てみましょう。
「天下三分の計」は孔明が当時、土地を失い、荊州の客将になっていた劉備に向けて提案した曹操に対抗する為の戦略です。
当時、のちに魏の礎を作った曹操は、200年に官渡の戦いで最大のライバルだった袁氏の勢いを削ぐと、その2年後の202年には袁氏の領土である冀州・併州・幽州を併合し、中華の最大勢力になりました。人口や経済の面で他国を圧倒する魏に対抗するためには、もはや一か国では足りないと感じた孔明は、荊州・益州の2州を取り国を建国し、呉の孫権と手を結ぶという戦略を立てました。これが「天下三分の計」です。
特に荊州は中華の真ん中の地で、大きな河川と平地、豊富な人口を抱えており、ここを押さえておけば魏にすぐ軍隊を派遣できるという戦略上保持してきたい土地でもあったのです。
「天下三分の計」魏を倒すことを目標にした戦略だったのです。
2.現代の三国志の立場
1522年に最初の三国志の小説ができて以来、東アジアを中心に世界中で読まれている三国志ですが、三国志の舞台になった中国での三国志の立場は面白いものになっていました。
未曾有の経済発展を続けている中国では、ビジネスという群雄割拠の時代を生き抜くビジネス戦略本としての一面もあるのです。
三国志に出てくる戦略などがそのままビジネスで使えるわけではありませんが、曹操の身分を問わない人の上手い使い方や人心掌握術、劉備のしたたかな生存戦略など、ちょっと工夫するだけでビジネスに応用できる優れた逸話が多いため、わかりやすいビジネス本として扱われているようです。
3.オススメの作品
今回は「天下三分の計」の例しか紹介できませんでしたが、三国志には他にも「官渡の戦い」や司馬懿による反乱の素早い鎮圧など、膨大な数の逸話があります。そしてどの逸話も人心や戦略などの重要性がわかるので、機会があったら是非、読んでみてください。
どの三国志を読んでみたら良いのかわからない人って人には、曹操を主人公にした
「蒼天航路」という漫画がオススメです!
数多くある三国志の小説・漫画の中で、曹操が主人公を務める珍しい本作は、当時革新的だった曹操の思考・カリスマ性などが斬新に描かれています。また曹操以外にも劉備・孫堅・董卓といった人物達も人の上に立つための気概などが細かく伝わっており見ごたえがある三国志漫画になっています!
またドラマでは中国で放送された「スリーキングダム」がオススメです。
物語の序盤から中盤までは劉備と曹操が主人公を務め、二人が亡くなった後の終盤を
諸葛亮と司馬懿が主人公を務めています。このドラマは曹操役を演じたチェン・ジェンビンと司馬懿役を演じたニー・ダーホンの二人の怪演が非常に面白いです。
この2作品を通してぜひ三国志を見て戦略の奥深さを味わってみてください!
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